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「光の道を備えよ！。」
③、流浪編。 ２、 幻滅時代。
港区。 ～ 世田谷区。
青年期の「弟の 「まこと」の放浪記。
あらすじ。
「光の道を備えよ！。」流浪編④の２、
港区の時代。弟の まことの 放浪記。
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旅行会館の寮に入り 手塚氏に出会う。
十年間 蒸発していた兄の のりおに再会。
兄との再会は。朗報から、失望に変わる。
遂に兄を見限って、自分の道を歩み出す。
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先輩の失敗。
ある日、「まこと」の部屋に、寮の先輩だった手塚氏がやってきた。突然の出現には驚いた。「どうしたんですか？」「まあ、色々あってなあ。」事情を聞いてみると、ある事件を起こしてしまい、ホテルをクビになったという。
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その事件とは、飯炊きの担当になってから、厨房の
恰幅の良い チーフと仲違いして、ちょっとした口論から、つい ケンカになって、振り上げて来たシャモジを 取り上げて、組み伏せてしまったらしい。「手塚！、お前は、もうやめろー。」と課長に言われて、突然の出来事で、行く所が無くて、引っ越した
「まこと」の事を思い出して、慌てて頼って来た。といういきさつだった。
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「へー、そんな事件があったんですねー。」「次の仕事先が見つかるまで、しばらく厄介になるぜ。」「はい、落ち着くまで、ゆっくりしてください。」「すまんなー。」「いいえ。これで 少しだけ恩返しできます。」こうして、手塚氏と一ヶ月ほど、暮らす事になった。
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「まこと」が
兄と再会して、「一緒に仕事を手伝いたい。」と言って、ホテルをやめたあと、（どうしているかなあ。）と 気になっていた 手塚氏 だった。
「どうだ？、お兄さんとの仕事は？。」
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「それが、実は 兄の仕事を手伝ってみたけど、サッシの仕事は、（自分に合ってない。）と感じてからは、今はもう行くのをやめたんです。」と
有りのままの、迷っている状態の結論だけを、正直に打ち明けた。
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「なんだ、そうなのか？。（面白いなら、俺も雇って貰おうかなあ。）と思っていたのに。」「ああ、すいません。これから先、どうしようかなあ？と考えてる処なんですね 。」「まあ、とにかく、一度、お兄さんに合わせてくれ。」 色々失望した事は、言わなかった。
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「え、それは いいですけど。」「どんな お兄さんかなぁ？と、気になってたからな。」「ああ、判りました。じゃあ、あした、兄貴のアパートに 案内して合わせましょう。」「お、そうか。」「でも、余り
期待しないで下さいよ。」「ああ。判った。」「きっとガッカリしますよ。」「ん？。」
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翌日の夕方になって、手塚氏を案内した。先に会社のお店を見せた。「なんだ、小さな店だなあ。」「そうなんですよ。僕も最初は かなり期待して、来て見たら、こんな小さなお店で、ガッカリしたんですよねー。」「そうかー。」「店を閉めて、もう、家に帰っとた思うから、部屋まで案内します。」「ああ。」 「ここです。明かりがつい
てるから、帰って来ています。」「そう。」
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手塚氏 と 兄。
コンコン！ 「兄貴ー。」「おお、「まこと」か？。」「うん。今日はね、友人と二人。」「お、」「ホテルの「寮」に入った時から、お世話になった 先輩を連れて来たよ。」「ほおー、そうか？。はいれ。」
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「こんにちはー。初めまして、お兄さん。私は手塚と申します。」「おお、弟の面倒を見てくれて、ありがとうな。」「いえ、今度は
全く 逆に なりました。」「あん？。」「実は、チーフとおおゲンカして
つい組み伏せてしまって。「手塚！、お前は もうやめろ！。」と強く言われて、急に ホテルをクビになってしまって、路頭に迷ってしまい。」
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「フッフフ。」「突然で、行く所が無くて、困り果てて
今井君の部屋に転がり込んで来た次第です。」「ハッハッハ。そうか。」「次の 就職先が 見つかるまで、少しの間、お世話になります。」「ほー、そうか？、事情は判った。」「はい、お世話になりまーす。」
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世田谷区は 広いだけで住みにくい街。
盆地なのか、生暖かい淀んだ空気で、風通しの良い場所に戻りたくなった。だが、今さら元の職場に戻りたくは なかった。
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戻りたくても、絶対に戻れない立場の、手塚は アルバイト
ニュースを買って 働き口を必死に探していた。 ある日、ホテルの受付の従業員の募集を見つけた。
早速、面接に言って、採用して貰って、風光明媚なホテルに就職した。
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ひと月後、「今、夜勤で暇だから、見に来ないか？。」と連絡があり 「まこと」は 場所を教えて貰い
訪ねていった。
ホテルでの 仕事ぶりを見て 尊敬していた 長岡部長の気配り姿と重なった。
忍ばず池の近くの 月光ホテルは、森林の緑に囲まれ 風通しの良い所だった。
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たとへ 一度 失敗したとしても、（自分の やりたい理想の仕事を探求してゆこう。）とする 強い姿勢があった。
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手塚先輩は、迷ってばかりの「まこと」に
先駆けて 次の道を進む姿勢を促してくれていた。（お兄さんの仕事とは 違う、自分に合う道を選んだほうがいいよ。）と背中で 行動で示していた。
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以前の 「タマ旅行会館」の寮には
頼りがいのある 手塚氏は もういないし、今さら戻って ケンカ別れしたパーラーの相馬氏と、また仕事をする気にも
ならなかった。
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迷ってばかりで、前にも 後ろにも戻れない、まことの事を心配してか、急に手塚氏は、まことの部屋にやって来た。二人連れで現れた。なんと その連れは 理不尽な
あの 許せないパーラーの相馬氏だった。（いったい どういうつもりで、彼を連れて来たのだろうか？。）
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相馬氏は、まことの顔を見て、申し訳なさそうな顔で、「ああ、久しぶりだね。」と言って メガネに手を当てて、「ごめん。悪かったよ。」と謝った。まことは、「ああ、いや、僕のほうこそ、期待に添えない助手で、ごめんなさい。」と、謝った。
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手塚氏は、まことが 相馬氏とケンカして すぐに、「兄の仕事を手伝いたいので。」という理由で、ホテルの仕事を急にやめてしまった事が どうにも気になっていた。
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（もしかして 相馬氏と仲直りさせる事が出来れば、前の職場に 戻る気になれるのかもしれない。）と思って、相馬氏に
連絡をしてみた。
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「相馬、お前なあ 今井とケンカして
仲直りしないままか？。ちょっと頼みがある。今度 今井の部屋に連れて行くからな、一言 謝って仲直りしてくれんかな？。」
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「すまんが。」「判りました。」と、事前に 打ち合わせしてから 彼を連れて来たようだった。だが、その後、まことは、相馬氏との関係を取り戻す事なく、「タマ旅行会館」のパーラー喫茶の、（元の職場に もう一度戻って働こう。）
という気がしなかった。
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兄との再会を果たしたものの、心が通じない
悲しさに失望して、兄の会社には行かなくなった。そんなころ、旅行会館の寮で
お世話になった手塚氏が突然 現れて、思わぬ再会。このあと、迷っていた「まこと」の背中を押すかのように、次の新しい道を探して、先に進んでゆく姿を見せて
また いなくなった。
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「まこと」も、失敗した事は同じ立場だった。兄と一緒に仕事をする事は、あきらめて、(自分にふさわしい天職を探して見つけるしかない。)と決意して、兄との短い関わりの
世田谷区の思い出と、別れを告げた。
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「まこと」は、兄に受け入れて貰えない悲しみを抱えたまま、次の
まだ見えない未知の世界に踏み出すしかなかった。自信喪失と、無念だらけの、「まこと」の 心の闇は 続いていた。裏切られたような 悔しい涙の敗者の惨めな思いが 心を支配していた。せっかく近づいていったのに、身内に
白い目で見られて、我慢しきれなくなって離れ離れになる道を選んでしまった。無念と 居直りの混ざった 複雑な日々が
続く。
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手塚 先輩が、次の就職先の「月光ホテル」の従業員として採用されて、先に進んでいった後、「まこと」も自分に合う仕事を真剣に探すようになった。
（手塚先輩は、人の面倒見がいいし、ケンカしても 人に話しかけてすぐに仲良くなれる人だから、ホテルの接客業はピッタリだなあ。）と思った。
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まことは、人が大勢
集まっている場所は苦手だった。緊張してしまう、大勢の接客の仕事ではなく、調理や 仕出しの仕事を探した。厨房の募集で、衣食住付きの「住み込みの寮」を探した。
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江東区の清澄橋の近くの「弁当屋」を見つけた。「まこと」は 遂に 兄に見切りをつけて、風通しの悪い「世田谷区」の地を見限った。
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衣 食 住 つきの 仕事を探した。「まこと」は 弁当屋の面接を受け、寮に入った。
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夜のギター。
失望の 世田谷区を後にして、江東区の清澄橋の前の、「給食センターの 寮」に入った。制服や
食事や 住居つきの弁当屋で、二段ベッドの下で 一年ほど 住み込みで懸命に働いて、少しお金を貯めた。
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隣の二段ベッドの下には、「角崖」という 飯炊きの大きな老人と、上には
吾妻」という 冗談好きで、酒好きの 厨房「の先輩と 三人ベヤになり、家族的な寮だった。
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寮の傍には 川が流れていて 風通しが良く、夕暮れには
休憩室のギターを 屋上に持ち出して、ベンチで 切ない曲を いつまでも ひいて 夜を過ごした。
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新しい職場の 給食センターに、実は
隠された 次の出会いが待っていた。 毎日、何百人分の弁当の仕出しをする厨房に入って、たくさんの種類の食材を下処理をする仕事を任された。
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すぐに 包丁を持たされて、大量の野菜をカットして仕込んでいく。先輩の指示どおりに
刻んでいるうちに、心地よい色んな食材を扱う喜びの感触が 湧いてくるのが不思議だった。
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（ああ、なんだろうか？。この食材達を 手にして 処理する人間の手の立場は、何かを表している。）夢中に切っているうちに 何か不思議な、閃くものが降りて来た。
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あらゆる食材は、個性豊かな民族や文化を表して、色んな形があり、それをまとめて、見事な料理に仕上げる。という、人間の手や
包丁の役割りや 味付けが、人間社会の縮図のようなイメージが湧いてきた。、 食文化に、調和や 秩序を導く、世直しの為の 謎解きのヒントが隠れている事に気づいた。
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そして、この東京の流浪の、青春時代に閃いた、食材の謎解きの体験は、大変 重要な意味を持っていた事に、遥か先の 未来の
晩年になってから 振り返って 判ってくる。
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実は 東京の第二舞台で 起こる事は、
最後の おお峠の 闘いとなる、出会いと別れに、明暗を分ける 最終的な決着の場に、多大な影響を与える
大切な予告であった。 「光の道を備える為の、必然的な条件」を果たす上の、確かなる対応の
役割りを、先んじて演じさせられていた事に、気がついてゆく。
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つづく。
逆転の舞台は 魅力的な女性が登場。闇から光への決着となる 大事な布石。
逆転現象の 東京の舞台に幕が下りる。
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つづく。
「まこと」の惜別編。
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「光の道を備えよ！。」
③、流浪編。 ２、幻滅の時代。
世田谷区 ～ 江東区。清澄、
おわり。
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予告 江東区 亀戸時代。
第二舞台の「東京」での出逢いと別れ。
子供の頃の 切ない記憶が 大人になってからも 繰り返される、「レジャブ。」
よく似た環境の中で、三段階で 繰り返されてゆく スレ違いの後悔の人生。
青年時代の 魅力的な 彼女達の記憶。
只今、編集中。
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省略。
「光の道を備えよ！。」
③、流浪編。 ２、幻滅の時代。
港区。 ～ 世田谷区。 ～ 江東区
清澄、亀戸時代。に、つづく。
④の２、 修行時代。蛤の涙。へ。 |
