ごあんない。

　まことの心と体はまるで死人のように重くなった。声も小さく、かすれて聞こえないほど、人と関わる言葉を失くした。無口になり、一人、死人のように、悩みの底に沈んでいった。
　これは、「英霊」の通過した「死の暗闇」を通過して、共に課題を背負う不可避の「死人」を演じていた。

　いつの間にかまことは、出征兵士の課題を果たす為の条件となる、「墓に眠る死人」と同化していた。
　生きていく「希望の光」が見えないまま亡くなった死人と同じ霊界、墓の中にいる状態になった。暗闇に沈んで生きる屍となって手探りをしていた。日本人の課題と生きる意味を必死になって求めていた。　（真理を教えて下さい。）　まことの背後には、兵士達を祀った忠霊塔の石碑が見下ろしていた。銅版に刻まれた英霊達の名前を触りながら、不思議な会話をしていた。

英霊の嘆きを背負った少年は、ポチの悲哀を再現していく。　幼い頃の全ての記憶は、やがて辿るであろう、宿命の道の暗示であった。 　 　 　 上へ↑。 あらすじ。 もくじ。 戻る 　英霊のポチは、ウスに変身して、やがて宝を生み出す「訓練場」へと、少年を導くことになるきっかけとなる「闇の声」を演じていく。

　この小説は、「なぞとき講座」で引用し解説する、ひらめきを生む、何気ない過去の微かな記憶の回想物語です。

　引用場面には、なぞときの手がかりが隠れています。全体を通してお読み頂けば幸いです。

　休み時間が過ぎるのをぼんやり眠ったふりして暮らした…シーンは、本編で。　全巻を読みたい方は、フォームより。

            
全ての謎は　本講座　で見えてきます。